そみみんのパルプンテブログ

初代おはガールが語るテレビの裏側

新世界より、まとめ

エンターテインメント性

・今から1000年後の日本社会、PKが芽生え寧ろ文明社会が破綻してしまう圧巻のSFストーリー

PK戦争を生き残ったPK持ち傍観者達が社会再編に即し定めた、数々の正気の沙汰を失ったルール、それに伴う遺伝子組み換え、そして生まれた欺瞞と絶望と脆弱性に満ちた新人類、そしてそれに伴い副産された数々のクリーチャー達

・その一環でボノボ的社会性の構築、男女間のみならず同性間も性交遊盛ん、思春期の敏感な心情や恋愛のこそばゆさを瑞々しく描くその描写は、精通したての神秘的な気分を思い返させるほど。漫画版ではこの要素を強く取り入れ過ぎていてけしからん(それはそれで素晴らしい)。

・八丁標が張り巡らされ完全に空間的にも精神的にも孤立した神栖66町の恐怖と脆弱と仮初めの充実に囲まれている暮らしの見放せなさ

・子供達に課せられる呪力に関する課題の創意工夫、全人学級というホグワーツのようなワクワクする学校空間

・社会科見学などで垣間見る管理されすぎてどこか奇妙にねじくれている社会機構、そこに感じる小説全体のアトラクション感

・バケネズミに対する異様なまでの伏線とその回収パートとなる終盤の人間との全面戦争の悲惨さ

・悪鬼と業魔のおぞましさと、現代の我々にも十分通じる抽象的普遍性の高さ

・業魔化した仲間と、その惨状と、オーロラに彩られた印象的な死別のシーン

・バケネズミ側最後の切り札であった悪鬼を倒すために主人公たちが無人の捨てられた都市東京へ「サイコバスター」を探しに行く最終章、地下を進むダンジョン感、死と隣り合わせの緊迫感、最後ダメかと思ったところで奇跡的に会心の策を思いつき逆転する圧巻の知略劇

 

 

 

 

示唆

・悪鬼と業魔の現代にも当てはまる普遍性

・呪力という最先端進化が生み出す悲劇を描く中での、人間のさもしい本性への警告、現代日本の核兵器による圧力的平和への警鐘

・八丁標に囲まれた暮らし、現代の人間の意識との共通

・教育管理体制の難しさ、大人の欺瞞

・呪力は、我々にもあるのだという諦念と希望

・好奇心と想像力が世界を救うという通貫したテーマ